精神看護学専攻分野(修士課程)

専攻分野の紹介

精神看護学では、患者や家族との援助的人間関係の形成、介入の時期と方法、地域社会で生きる当事者の生活や就労支援、社会の変化とメンタルヘルスなどに関する実践的な研究に取り組んでいます。精神科病院や訪問看護ステーションで看護経験を積んできた人たちが、自らの経験と動機に基づいて精神保健福祉活動の場でフィールドワークを行い、実践報告や現状の分析を通して研究の方向性を定めていきます。

CNSコースを修了した先輩方の病院もフィールドになっています。
また精神看護学領域では、新しく専門的な知識を習得するだけではなく、これまで自分の行ってきたケアの経験を振り返ることにより、その経験の意味を考え今後のキャリアに生かすための支援も行っています。学究生活の中で、学習者自身がその手がかりを見つけて現場に戻ることができるよう支援したいと思っています。

構成メンバー

教授 出口 禎子
講師 海老澤 睦
大学院生 3名

主な活動

※授業科目の概要・シラバスについてはこちらをご覧下さい。

主催・共催している研究プログラム・実践活動など

地域の作業所職員を対象とした研修会を行い、地域精神看護の向上に向けた実践活動を行っています。

定例研究会や勉強会の内容・スケジュールなど

精神看護研究会
内容 広く精神看護に関連のある分野で、参加者の関心が高い内容をテーマとしてその都度選び、これまでに73回勉強会を開催しています。平成22年度は「単科精神病院における看護管理」「ジョブコーチの活動」「安全危機管理」「子どもの戦争体験」など専門家を講師として招聘したり、「修士課程修了後の1年についての報告」「海外研修報告」など、修了生や教員が話題提供したテーマで勉強会を開催しました。
スケジュール:不定期で年に4〜5回開催しています。
対象者 関心のある方なら誰でも大歓迎です。事前に登録していただくと、メールにて勉強会のご案内をいたしますので、構成メンバー教員宛てにお気軽にご連絡ください。

今までに指導した主な学位論文・卒業研究のテーマ

出口 禎子
  • 「精神科訪問看護を利用する精神障害者のサービス活用の実態とその有効性 -統合失調症をもつ利用者への生活調査から-」(平成23年度修士論文)
  • 「30年の入院生活を送る統合失調症患者の求める人とのつながり -閉鎖病棟で療養する患者の語りから-」(平成22年度修士論文)
  • 「精神障害者の「働くこと」を継続する困難感と「働くこと」を支える動機 -地域共同作業所での参加観察を通して-」(平成19年度修士論文)
  • 「精神疾患を持つ患者の消極的傾向と自己肯定感の関連」(平成22年度卒業研究)
  • 「精神科慢性期患者の療養環境〜治療と環境との関連について〜」(平成22年度卒業研究)
海老澤 睦
  • 「患者の気持ちに寄り添った看護とは 〜受容・共感的態度で傾聴するということに焦点を当てて〜」(平成22年度卒業研究)

その他

在学生の声

私は大学病院の混合病棟で5年間勤務し、現在は緩和ケア病棟に勤めています。その中で、患者の精神的・スピリチュアル的苦痛に対する看護の難しさや、それと向き合う看護師の葛藤を目にし、患者や看護師に対する精神的ケアについて学び、実践したいと考え、リエゾン精神看護専門看護師を志しました。
 大学院では、様々な講義を通して知識を得ると共に、大学院生との関わりからも学びや刺激を受けています。また、私は精神科病院での経験がないため、看護学部の講義を受講したりと、精神看護の基礎から学んでいます。更に、病院や施設への訪問の機会を設けて下さり、机上の学習だけでなく、体験を通して学びを得ています。
 課題や授業に追われながらも、指導教員や先輩方からのご助言や支え、同期大学院生と励まし合いながら日々を過ごしています。

(修士課程1年生)

修了生・CNS取得者の声

私は2011年に修士課程(CNSコース)を修了しました。卒業後は、所属病棟の中で日々起こっているさまざまな出来事について、対人関係論を活用しながらその問題の背景や本質を認識できるよう心がけています。
現在、当院には私を含め3名の修士課程の修了生がおります。最近は、彼らや教育担当者と共に、スタッフが自分の経験を生かしながら主体的にキャリアをデザインしていけるよう教育システムの構築・整備に取り組んでおります。
まだまだ専門家としても人間としても未熟な私ですが、今後組織の中で看護の質の向上に少しでも貢献できるようになりたいと考えています。またその為に、管理者や看護スタッフとよりよい関係を築き、看護について意識的かつ率直に語りあえるチーム作りを目指して頑張っているところです。

(椙本 喬子、社会福祉法人桜ヶ丘記念病院勤務)

私は精神科病院などに4年間勤務していました。精神科病棟で日々行っている看護ケアの意味を見出すことが難しくなり、もう一度精神看護に向き合いたいと思い大学院修士課程に入学しました。大学院では、臨床での経験を1つずつ丁寧に振り返りながら、今まで行ってきた精神科看護ケアの意味や意義について幅広い視点から捉えなおすことが出来ました。また、本学は大学院の歴史も長くあり、様々なフィールドを持っていることから、複数の精神科病院での実習ができること、また病院内にとどまらず地域にある様々な就労支援施設に出向き、精神科看護の視点を広げることのできることは大きな特徴だと思います。現在は教員として、これまでの経験を活かし、看護学生に対して「人」を対象とした精神科看護学の奥深さに気付いてもらえるよう日々研鑽しています。

(瀧下晶子、北里大学看護学部勤務)